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2015年8月22日(土)

きょうの潮流

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 長い夏休みの終わりが近づき、宿題に追われる子どもたちも多いのでは。最近は宿題代行業者に丸投げする親子も。これでは、何のための宿題なのでしょうか▼東京にある女子学院では36年間、中学3年の夏に同じ課題を出してきました。「身近な人たちの戦争体験聞き書き学習」。戦争を知らない世代が増えてきたことがきっかけです▼祖父母や両親をはじめ、親類縁者から語り部まで対象はさまざま。表現方法も伝聞体だったり、体験者に成り代わって伝えたり。ちがう時代を描く苦労は大変ですが、肉親と真正面から向き合う機会を得たという生徒たち▼これまで本や映画の世界、歴史上の出来事だった戦争が今に生きる自分につながった数々の作文。そこから選んだ22話が『戦争しない国が好き』(高文研)と題して出版されました。本の編者で当初から聞き書き学習にとりくんだ小野田明理子(おのだめりこ)さんは「受け身ではなく、自分が歴史の主人公になる学習だった」▼何も語りたがらない父に頼みこみ、空襲で火の海のなかを家族で逃げつづけた話を聞いた生徒は、こんな付記を。「戦争は悲しくて、つらくて、苦しくて、誰もよい思いをしないものであることを知ってほしい」▼もし、全国の学校教育の現場でこうした試みがとりくまれたとしたら…。東京大空襲の語り部でもある作家の早乙女勝元さんが本のあとがきに記しています。「この国の未来に新たな『戦前』『戦中』があろうはずがなく、いついつまでも『戦後』がつづくのに」と。


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