「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年8月16日(日)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 果てしなくひろがる大平原。地平線を真っ赤に染める夕日。終戦の夏、ソ連との国境に近い農場に勤労動員として送られた15歳の中学生たち。彼らには過酷な道のりが待ち受けていました▼8月9日、ソ連軍侵攻。置き去りにされた120人の日本人中学生は爆撃の中を必死に逃げます。荒野をさまよい、捕虜となり栄養失調の体で放り出され、餓死寸前でたどりついた寒村。そこで中国人に救われます▼侵略者の憎い日本人を助ける必要はないという村人を説得する村長。彼は「中国の村人が日本人を助けたことによって、これからの世代にどんな新しい歴史が生まれるのか楽しみにしている」と。公開中の映画「ソ満国境 15歳の夏」です▼映画では原発事故で避難生活を強いられる福島の中学生が中国東北部を訪ね、当時のことを取材します。松島哲也監督は本紙日曜版のインタビューに「テーマの一つは日中友好」と答えています▼みずからの体験が原作になった田原和夫さんは、人として語り継ぐべきことがあるといいます。国の犠牲になった人びとや国境をこえた友情と絆。そこには戦争への痛切な反省と和解の道筋が示されています▼戦後70年の安倍談話。主体のないキーワードをまぶすだけで、戦争の過ちや侵略した国々へのおわびを自身の言葉で語りませんでした。「私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」。口にするあなたこそが、和解の壁になっていることがまだ分からぬか。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって