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2015年8月14日(金)

きょうの潮流

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 幼いころの戦争体験を、自作の切り絵で伝え続ける女性がいます。群馬県前橋市の飯塚照江さん(76)。同市で開催中の「戦争を忘れない展」(16日まで)では、黒い和紙を切り抜いた17点の作品で、戦争の怖さと平和の尊さを訴えます▼本紙日曜版「吉沢久子の四季折々」の挿絵も手がける飯塚さん。6歳の夏に終戦を迎えました。真っ赤な背景が印象的な「前橋空襲の夜」は、500人以上の死者が出た空襲の中、母親に背負われて逃げた様子を描きました▼「夜なのに照明弾で昼のように明るく、音を立てて落ちてくる焼(しょう)夷(い)弾が恐ろしかった」と飯塚さん。「空襲を思い出させる花火は、怖くて今でも見られません」▼戦火の中を逃げ回った6歳の自分と、母親と絵本を読む孫娘を対比させた「六才の私」「六才の孫」には、子どもたちに平和の大切さを伝えたいという願いを込めました。「同じ6歳なのに昔と今では全然違う。70年間、平和を守ってきたからこそ今の生活があることを忘れないでほしい」▼飯塚さんが切り絵で戦争体験を描き始めたのは20年前。「終戦の翌年に亡くなった母の顔は忘れてしまっても、戦争のつらさは忘れられない。体験を語れる最後の世代として、伝えていかなければと思って…」▼平和をつくり、守るための行動が切に求められていると語る飯塚さん。「私たち一人ひとりは『微力』ではあっても『無力』ではないのです」。苦難を乗り越え平和を手にした人々の思いを、しっかりと受け継いでいきたい。


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