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2015年8月11日(火)

きょうの潮流

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 「祝融(しゅくゆう)南より来たりて火龍(かりゅう)に鞭(むち)うち火旗焔焔(かきえんえん)として天を焼きて紅なり」。唐代の詩人、王轂(おうこく)が夏の猛暑をこうよみました▼題は「苦熱行(こう)」。NHKラジオ「漢詩をよむ」で紹介された七言古詩です。祝融は夏の神。火で包まれた竜に乗って到来し、炎の雲が天を真っ赤に焼きます。漢字14字のうち5文字に火がつく、いかにも「暑い」詩です▼日本列島は各地で高温記録を更新。中国古代の五行(ぎょう)説で最も暑い時期を「三伏(さんぷく)」といいます。初伏、中伏、末伏(まっぷく)の三つです。秋の気がまだ夏の気に伏していると考えたそうです。末伏は立秋後、最初の庚(かのえ)の日。今年は8月12日です▼南アルプスに三伏の名がついた峠があります。地名の由来は、三方に尾根を伏せた形をしているから、あるいはここを開いたのが3人の山伏だったからといわれ、暦の三伏とは関係ないようです▼高校生のころ、テントを背負って北岳から塩見岳まで縦走し三伏峠から下山したことがありました。軽い装備やフリーズドライ食品がない時代。重荷で遅々として進みません。その分、ゆったり景色を眺め、仲間と何気ない話に笑いあった山旅でした▼来年から8月11日は祝日「山の日」です。華やかなファッションの若者が増え、インターネットで山行記録を交流するサイトも盛んです。変わらないのは無事下山してこそ山登りということでしょう。横山秀夫の小説『クライマーズ・ハイ』に「下りるために登るんさ」というせりふがあります。山へ行かれる方はどうか安全に。


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