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2015年8月9日(日)

きょうの潮流

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 8月9日のきょう、長崎の爆心地公園に「火」が灯(とも)ります。ここを最後の被爆地とする「誓いの火」は1983年にギリシャから送られた聖火です▼古代ギリシャではオリンピックの期間中、すべての戦争は中止されました。五輪休戦は今も国際的なルールで聖火は平和の象徴です。それを長崎に贈ってほしいと要請したのが被爆して下半身不随となった渡辺千恵子さんでした▼あの日。学徒動員されていた千恵子さんは爆心地から2・5キロほどの工場で鉄骨の下敷きに。脊椎を骨折、寝たきりで骨と皮になった16歳は医者からも見放されました。母の一念で命をとりとめたものの、その後の10年は生きる希望を失っていました(『長崎に生きる』)▼彼女の人生を変えたのは原水爆禁止の運動でした。60年前、長崎原爆乙女の会を結成。被爆者の血と肉と骨の叫びを、たくさんの人に知ってもらいたいと世界大会に登壇。誓いの火も欧州での核軍縮運動に参加した際に呼びかけたものでした▼「私は運動のなかで人間としてよみがえった」。93年に亡くなるまでそう口にしていたという千恵子さん。不自由な体にムチ打ち、核兵器と戦争の恐ろしさ、愚かさを訴えてきた姿は、今もたたかいつづける被爆者と重なります▼被爆の生き証人として千恵子さんとともに活動してきた86歳の谷口稜曄(すみてる)さん。無念のうちに亡くなった人たち、生き抜いてきた人たちの思いを胸に、核のない世界を実現するため、きょうの式典で「平和への誓い」を読み上げます。


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