2015年6月21日(日)
きょうの潮流
週末になると、近くの公園に大勢の家族が集まり、バーベキューを楽しむ光景を見かけるようになりました。子どもたちの歓声がひびくなか、日頃のふれあいの少なさを取り戻そうと、額に汗しながら肉や野菜を焼く父親の姿がほほ笑ましい▼♪昼間のパパはちょっとちがう 昼間のパパは光ってる 昼間のパパはいい汗かいてる―。忌野(いまわの)清志郎「パパの歌」にもあるように、親の持つ多様な一面が子どもたちの目には新鮮に映るようです▼父の日を前に、化粧品会社が10代の娘に意識調査したところ、8割以上がお父さんを「好き」と答えました。会話や外出を一緒に楽しむ仲のいい親子も多く、良好な関係を築いている様子がうかがえます▼いつも子どもから避けられていると感じているお父さんも案外、口には出さないものの、好かれているのでは。意見するだけでなく、迷いや悩みにともに向き合ってほしいという子どもも▼一方で、日本は一家だんらんの時間が少ない。内閣府の調査では、子育て中の男性ほど家族と過ごす時間が十分でないと。最近の調査では「夫が外で働き、妻が家を守る」ことを家庭の理想と思う人の割合が高い地域で、男性の長時間労働が多い傾向にあることがわかりました▼何が父親を家族から引き離し、みんなの幸せを阻んでいるのか。労働条件の悪化は日本社会全体の問題です。働く者の環境を改善していくことは人間らしい生活を取り戻すたたかい。家族とのつながりを意識する日に、改めてかみしめたい。