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2015年1月10日(土)

きょうの潮流

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 「世の中のことすべてが喜劇のタネ」と言ったのは、飯沢匡(ただす)さんでした。一貫して時代や社会を風刺してきた劇作家は、権力や権威を笑うことを庶民の抵抗の“武器”としてきました▼飯沢さんがめざした「乾いた笑い」は、欧米では古くからつづく伝統でした。その文化が息づく場が凶行の現場になりました。フランスの新聞社襲撃事件。売り物の風刺画で、イスラムの預言者を取り上げたことが原因とされています▼銃を乱射し、多くの命を奪った凶悪な犯罪。フランス国内はもちろん、世界中で報道の自由、表現の自由を守れ、の大合唱がわき起こっています。当のイスラム諸国やイスラム教からも、テロを許すなと、犯行への非難や糾弾の声が上がっています▼「われわれの文化がからかわれるのは、とても嫌な気分だが、だからといって相手を殺すことには決してならない」。イスラム教徒の青年がテレビで語っていました▼どんな媒体であれ、風刺される側の痛みは当然、配慮されるべきでしょう。しかしゆきすぎた「笑い」を、命によって償わせるという行為は決して許されるものではありません。憎悪をあおり、報復の連鎖を生むテロは人びとを分断し、新たな差別をまねくだけです▼テロとのたたかいとともに、それを生み出す土壌がひろがる現実。いまや、テロにさらされる危険は世界を覆っています。権力や暴力による言論の弾圧は自由なき不寛容な社会への入り口―。飯沢さんの指摘が、息苦しさが募る今によみがえります。


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