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2014年10月28日(火)

きょうの潮流

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 戦後最悪の火山災害から1カ月がたちました。周りの山々が紅葉に染まるなか、灰色に覆われた御嶽山の山頂からは今も噴煙が上がっています。遺族の心に積もる悲しみ、いまだ帰らぬ大切な人を待つ気持ちを思うと、暗然とします▼犠牲になった方々の人柄に触れるたびに切なさは募ります。命の危険が迫りながら、そばにいた少女を守るためジャンパーを渡した20代の青年。極限のなかで他人を思える、その優しさ、強さ。寄り添うように亡くなっていた恋人同士の姿もありました▼火山灰にまみれた遺品からは噴火の様子が伝わってきます。つぶれたカメラ、ぼろぼろになったリュック、穴が開いた衣服。大きな爆発が何度かあった、湯気のような空気と暗闇につつまれた、巨大な石が飛び交った―。生存者の証言からも、火山灰や熱風、噴石が同時に襲ってきたことがわかります▼実際、ほとんどの死因が噴石によるものでした。そのため、ヘルメットの着用や退避場所をどう確保するかの議論も起きています▼日本各地に110もある活火山。災害に強い国づくりを標ぼうしながら、観測体制の貧弱さや専門家の少なさをさらけ出しました。そこに住む私たちにとって、痛ましさから教訓をくみつくし、国が急ぎ手を打つかどうかは死活にかかわります▼活動が活発化している火山は今、このときも。巨大噴火の恐れも指摘されています。悲しみと鎮魂のなか、自然の営みと共存し、世界有数の火山列島に見合った国づくりを誓わなければ。


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