2014年10月26日(日)
エジプト兵31人死亡
過去最悪 過激派が攻撃
【カイロ=小泉大介】エジプト東部シナイ半島で24日、イスラム過激派とみられる勢力が軍に爆弾攻撃をしかけ、兵士31人が死亡しました。過激派の攻撃による一度の犠牲者数としては過去最悪の規模で、昨年7月に軍がイスラム主義組織・ムスリム同胞団出身のモルシ前大統領を解任して以降、治安の改善が進まない同国の実情が浮き彫りとなりました。
地元メディアによると、攻撃が起きたのはシナイ半島北部の町アリーシュで、軍の検問所で自動車爆弾が爆発したのに続き、武装勢力と軍との間で激しい銃撃戦も発生。重体となっている兵士も少なくないもようで、死者はさらに増える可能性があります。
今回の軍攻撃で犯行声明は出ていませんが、これまでイスラム過激組織「アンサル・ベイト・アルマクディス」がたびたび、シナイ半島で同様の攻撃を行ってきました。同組織は元来、国際テロ組織アルカイダ系でしたが、最近はイラクとシリアで攻勢をかける過激組織「イスラム国」に近いとされます。
24日の攻撃を受け、シシ大統領は閣僚や軍司令官らでつくる「国家防衛評議会」を緊急招集。しかし、有効な対策は打てていません。シナイ半島ではモルシ前大統領解任以降、過激派による攻撃で軍兵士と警官ら数百人が死亡しています。
エジプトではこの間、首都カイロをはじめ各地でも爆弾事件が後を絶たず、22日にはカイロ大学のキャンパス入り口前で発生した爆発で警官ら11人が負傷していました。