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2014年8月16日(土)

きょうの潮流

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 「ママ、こわいよ」「パパ、ほんと」。息をつめて聞き入っていた子どもたちがささやきます。江東区の東京大空襲・戦災資料センターで毎夏、親子で戦争体験を聞く会が開かれています▼今年は8月14日から17日まで。映像や空襲のなかを生き延びた人の話をはじめ、紙芝居、遊びの体験コーナーと、工夫をこらします。若い世代も協力。大学生が聞き取った話をみずから語り部となって、歌をまじえながら伝えます▼終戦の15日。会場いっぱいの親子の前で83歳の赤沢寿美子さんが静かに語り始めました。東京が無差別爆撃で火の海となった1945年3月10日。女学校に通っていた14歳の赤沢さんは深川の家から家族7人で必死に逃げました▼命からがら親せき宅にたどり着いた翌日。友だちを探しに学校へ。その道すがら見た光景がいまも目に焼きついています。目の前の川を流れていく先生の生々しい死体、子をかばったままの形で焼け焦げた親子の姿。地獄図でした▼人前では初めてという赤沢さんの話をメモにとる中学生たち。貴重な体験を話せる世代はいまや人口の2割ほどまで減っています。さらに、戦争の爪痕や日本の加害責任をかき消そうという動きも各地で表れています▼戦火を惑っていた当時の赤沢さんと同じ14歳の中学生が、こんな感想を綴っていました。「もう二度と戦争をしないために、自分に何ができるか。改めて考えたい」。歴史の歯車を逆に回そうとする勢力を追いつめるためにも平和のたすきを太く、強く。


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