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2014年5月24日(土)

きょうの潮流

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 生い茂るブナの木。静けさのなかで耳を澄ませば、さえずりが聞こえてきます。夏鳥のオオルリでしょうか、それともキビタキか。足元には白い花びらに黄と紫模様のシャガが咲いています▼若葉から青葉へ。緑の濃淡が目にまぶしい初夏の高尾山です。年間280万人が訪れるという都会のオアシス。この小さな山に息づく植物種の数は、イギリス全土のそれに匹敵する豊富さ。“奇跡の山”と呼ばれるゆえんです▼たくさんの命を育んできた宝の山も、目を転じれば無残な姿をさらしています。トンネルが中腹を貫き、高速道路や橋脚が周りを囲み、巨大な圏央道ICが渦を巻く。異質な音がひびき、風や水を汚された山々は泣いています▼山に親しみ、恵みに感謝する。きのう国会で「山の日」が定められました。8月11日をその日とし、再来年から祝日にします。国土の7割近くが森林の日本。豊かな自然を守り次の世代に引き継ごうと、山岳団体らが働きかけてきました▼経済と利便性ばかり優先する国策に抗し、持続可能な社会をつくるには市民運動が必要だ―。高尾山の自然を守るため28年間もたたかってきた橋本良仁(よしひろ)さんは説きます。みずからの経験を生かし、むだな公共事業を問い、自然を守り育てる各地の運動と手を携えています▼「自然は未来人からの借りもの。われわれにそれを壊す権利はない」という橋本さん。原発はその最たるものだとも。自然に恵まれた国土に住む一人として、じっくりと山の意義を考えてみたい。


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