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2014年4月26日(土)

きょうの潮流

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 江戸前ずしは酢飯を軽くまとめ、タネと合わせて握ります。独特の風味がひろがる酢飯は持ちがよく、お米を柔らかくします。シャリづくりは、タネ以上にすし職人の特徴や腕の差が出るそうです▼銀座にある「すきやばし次郎」の店主、小野二郎さん。20代の頃から握り続け60年。ひとつのことを深く掘り下げる仕事ぶりや、彼の人生哲学はドキュメンタリー映画にもなりました。ここのシャリは酢がよく効き、人肌の温度を保ったまま出てくるそうです▼その名人のすしをつまむことで始まった日米首脳会談。安倍首相とオバマ大統領が、「バラク」「シンゾウ」と呼び合って親密さを示そうとしても、小野さんが握るシャリとタネのように絶妙な関係を築くことはできませんでした▼尖閣諸島問題にしても安保の「適用対象」としたものの、大統領は平和的な解決を強調し、中国と対話して信頼関係をつくるべきだと釘(くぎ)を刺しました。靖国参拝で居直る首相との温度差もひろがるばかり▼一方で日米同盟の強化が確認され、安倍政権が狙う海外で戦争する国づくりの検討を歓迎。沖縄の新基地建設推進も合意されました。継続したTPP交渉は米国への大幅譲歩を重ね、オバマ大統領は日本市場参入を「米国の家族、消費者、企業にとっていいこと」とあけすけに語りました▼小野さんの信条は、最高の状態でお客さんにすしを食べてもらうこと。もてなしの心です。安倍首相が施す政治は酢が過ぎます。彼の視線は、どこに向けたものなのか。


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