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2014年3月23日(日)

きょうの潮流

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 大阪・泉佐野市の教育委員会が、小中学校の図書室から漫画「はだしのゲン」を回収していました。差別的な表現が多いと問題視した市長から要請をうけたといいます▼昨年は、松江市でも学校での閲覧を制限していたことがわかりました。戦争や原爆の悲惨さを描いた漫画を子どもたちの目にふれないようにする。靖国参拝を批判した作品の撤去を求めた東京都美術館の姿勢にも通じるものがあります▼偏った価値観や考えで物事をとらえ、それに沿わないものは受け入れない。そんな窮屈な空気が漂うなかで、権威や審査に縛られず、だれでも自由に出品できる日本アンデパンダン展が、いま六本木の国立新美術館で開催されています▼千をこえる作品から伝わる、それぞれの思い。原発事故をテーマにした作品が目につきますが、大震災から3年、表現は多様です。おどろおどろしい絵もあれば、きずなや希望を感じさせる色彩も。造形や空間を使って、異質の恐怖を訴える出品者もいます▼現実社会の矛盾を鋭く写す、自己の内面をじっと見つめる、日常の一瞬や自然の生命力の輝きを切り取る。巨大なキャンバスに戦争反対を多面的に描いた作品や、若者の斬新な発想の作風もみられます▼主テーマは「時代の表現 生きる証」。主催する日本美術会は半世紀をこえ、ときどきの市民の姿や生活、たたかいを彩ってきた作品を世に送り出してきました。つねに自由な創造を掲げてきたその精神を引き継ぐことは、いまの時代にますます重い。


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