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2014年3月19日(水)

きょうの潮流

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 東日本大震災から3年のこの春、全国文学館協議会に加盟する各地の36文学館が「3・11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」と題した展示を一斉に開催しています▼多くの被災者がいまだ生活再建に踏み出せず、原発事故も収束が見えない中で、文学館にできることは何か。同協議会は、今ここにある問題として震災を考え、記憶を風化させないために、震災後に生み出された数多くの作品を知らせることが文学館の責務ではないか、といいます▼東京・駒場の日本近代文学館では、俳人、歌人、詩人らが自ら揮毫(きごう)した作品を展示。被災地から寄せられた作品からは、底知れない苦悩と悲しみ、そして未来への決意が伝わってきます▼〈始めより我らは棄民青やませ〉〈夏草や影となりても生きるべし〉高野ムツオ(宮城県多賀城市)、〈喪(うしな)へばうしなふほどに降る雪よ〉〈春の星こんなに人が死んだのか〉照井翠(岩手県釜石市)、〈この街を出てゆくといふ、をさなごをかばんのやうに脇にかかへて〉〈深くふかく目を瞑(つむ)るなり本当に吾らが見るべきものを見るため〉高木佳子(福島県いわき市)▼広島県福山市のふくやま文学館は、被爆からの復興を取り上げています。被爆体験を軸とした原民喜の『廃墟(はいきょ)から』、被爆8年後の広島を描いた大田洋子『夕凪(ゆうなぎ)の街と人と』などを展示し、原爆と原発が地続きであることを示唆します▼作品がすくいとった被災者や死者の声。惨禍を繰り返さないために、その嘆きを聴き続けることを始めたい。


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