2014年3月14日(金)
米・ウクライナ首脳会談
ロ軍の撤退で一致 外交的解決求める
【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は12日、ホワイトハウスでウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相と会談し、同国南部クリミア自治共和国に介入するロシア軍の撤退で一致しました。オバマ氏はクリミアのロシア編入を問う16日の住民投票を「一切認めない」と表明しました。
オバマ氏は会談後、記者団に対し、ロシアの軍事介入は国際法や同国も加盟する国際協定に違反し、ウクライナの主権と領土保全を侵害するものだと強調。ロシア部隊が撤収しなければ、国際社会はロシアに代償を払わせると警告しました。
一方で、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が外交的解決に向けて協議を続けていることに触れ、同国のプーチン大統領に向けて「もう一つの道がある」と、外交的解決の方へかじを切ることを呼び掛けました。
さらにオバマ氏は、「(ウクライナに対して)西側とロシアとどちらと良い関係を選ぶのか、どちらとの経済関係を選ぶのかを強制することは、高度なグローバル経済の21世紀には何の意味もないし、ウクライナ国民のためにならない」と語りました。
ヤツェニュク首相は、ロシアに対して「銃や軍、戦車なしの外交的で政治的な手段による対話を始めることを求める」と述べました。
オバマ氏はまた、ウクライナへの10億ドルの融資保証などの経済援助に向けて取り組むことを米議会に要請していることを明らかにしました。