2014年2月26日(水)
きょうの潮流
土曜授業を行う学校が増えています。文部科学省も規則を改定して、土曜日に授業ができやすくしました。「子どもに無為な時間を過ごさせるな」というのです。でも「無為な時間」は本当に必要ないのでしょうか▼国連子どもの権利条約は31条で「休息・余暇・遊び」を子どもの権利として位置づけています。先日、子どもの権利・教育・文化全国センターなどが開いた「子どもと教育を語るつどい」では、子どもたちにとって余暇や遊びの持つ意義が語り合われました▼問題提起したのは、早稲田大学の増山均教授。増山さんは、子どもにとって遊びが総合的な人間形成力を持っていると強調し、こういいます。「子どもたちに、何もしないでぶらぶらする権利を保障する必要がある」▼思えば、子どもたちはいかに遊びとゆとりを奪われていることか。学力テストの点数を上げるため繰り返されるテストや宿題。中学校受験のために塾通い。「遊び」でさえもうけの対象にされ、本当に子どもが自分たちで楽しむものになっていません▼「つどい」で、小学校の教師からほっとする話が出ました。ある日、子どもが校庭に落ちていた梅の実をたくさん拾ってきました。「おもしろそうだな」。1カ月半かけて梅ジュースを作ってみんなで飲みました。校長先生にも飲んでもらったそうです▼そんな光景が、学校でも、地域でも少なくなりました。追い立てられずにのんびり過ごす時間。子どもにとっても、おとなにとっても必要なことでしょう。