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2013年12月14日(土)

主張

オスプレイの拡散

沖縄県民の痛みはなくせない

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 防衛省が、来年2月から3月にかけて、陸上自衛隊の関山演習場(新潟県)と相馬原(そうまがはら)演習場(群馬県)で行う日米共同訓練に、米海兵隊の新型輸送機オスプレイを参加させると発表しました。10月の陸自饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県)で行った日米共同訓練に初参加させて以来進めているオスプレイの全国拡散を加速するものです。

 オスプレイの全国拡散は、墜落の恐怖と騒音被害を全国各地の住民に押し付けるものです。沖縄県民の願いに反してオスプレイの沖縄配備を固定化・恒久化させることにもなります。

危険と隣り合わせ

 オスプレイは墜落事故をくりかえしている危険な輸送機です。24機に達した沖縄配備と同型機のオスプレイが去年4月アフリカ北部で訓練中に墜落し、今年8月にもアメリカのネバダ州で事実上の墜落事故を起こしました。米国防総省監査室は10月、2008年10月から11年9月まで「任務遂行に十分な状態でないまま配備していた可能性がある」との監査結果を公表しました。沖縄配備前のこととはいえ、オスプレイの危険性は明白です。

 オスプレイが飛行する限り、沖縄県民も本土住民も墜落の危険にさらされます。沖縄県民と本土住民は訓練の拡散などではなく、オスプレイの沖縄配備そのものの撤回を要求しています。

 見過ごせないのは、小野寺五典防衛相がオスプレイの本土での訓練を「沖縄の負担軽減につながる」とのべていることです。これほど沖縄県民の苦しみを理解しない発言はありません。オスプレイは沖縄の普天間基地を拠点にしており、普天間基地から沖縄以外の地域にでかけて飛行訓練をしても、訓練が終われば必ず沖縄に戻ります。本土で何機かが短期間飛行訓練をしているあいだも残りのオスプレイは県内を傍若無人に飛び回っています。本土での飛行訓練で沖縄の「負担軽減」が進むかのようにいうのはごまかしであり、県民を愚弄(ぐろう)するものです。とうてい許されません。

 オスプレイの飛行訓練の全国への拡散自体問題です。いまでも米軍が勝手に設定した低空飛行訓練ルートを使って米軍機が実施している低空飛行訓練で住民は苦しめられ続けています。このうえオスプレイの低空飛行訓練、空中給油訓練、後方支援訓練まで加われば、墜落の危険と騒音被害で住民の苦しみは激増するのは明白です。防衛省は各地の自衛隊基地にオスプレイ用の格納庫をつくろうとさえしています。そうなれば被害はまさに全国的規模になります。自治体と住民が一体にオスプレイの押し付けに反対するのは当然です。

配備の撤回を要求する

 沖縄県民と本土住民の命と安全を守るためには、オスプレイの全国への拡散ではなく、沖縄配備そのものを撤回させるしか道はありません。沖縄県内の41市町村の首長と議会、県議会議員などは今年1月、政府にオスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設反対を求める「建白書」をだしました。基地の重圧を少しでも減らしたいという県民の切実な願いです。

 住民の命を脅かす普天間基地を直ちに閉鎖・撤去し、オスプレイを日本から撤去することこそ、県民の命と安全を守る道です。


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