2013年7月20日(土)
きょうの潮流
自民党の石破茂幹事長の発言にぞっとしました。自民党改憲草案にある軍法会議(軍事法廷)の設置について。“出動命令を拒否すれば死刑もある”というのです▼命の重みを一顧だにしない発言です。同時にこの発言は、自衛隊が軍隊になればこう変わる、とごまかさずに語ったものといえます。自衛隊の場合は命令を拒否しても、「目いっぱいいって懲役7年」。軍隊の場合は「最高刑に死刑がある国なら死刑、無期懲役なら無期懲役…」▼劇団角笛の白石晶子さん(80)は、「自衛隊を軍隊に」という話を聞くたび、思い出す光景があります。太平洋戦争が始まったばかりの頃、母親と共に母の友人を見舞ったときのことです。ベッドの上には気のふれた女性が座っていました。ひとり息子を上官に殴られ、それがもとで息子が死んでから、心が壊れてしまったのです▼殴られた理由は上官に敬礼をしなかったことでした。「かわいそうでね。軍隊は恐ろしい。そんな時代に絶対してはなりません」。創立から50年。活動の原点にはそんな思いがあるといいます▼ジブリの宮崎駿監督も、ネット上に公開された『熱風』最新号でこう語っています。「思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」「憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい」。96条を先に変えるのは「詐欺」だとも▼憲法9条を無傷で次の世代に。91年間反戦を貫いてきた共産党の躍進にかかっています。