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2013年5月20日(月)

ゆうPRESS

緊急調査! 憲法改定どう思う?

U35 100人に聞く

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 「戦争はいや」「憲法は大事な問題。しっかり話し合って決めたほうがいい」―。東京・原宿駅前で35歳以下の100人に行った憲法に対する意識調査。若い世代の答えは、明確でした。戦争放棄を明記した9条の改定に、反対は7割近く、改憲要件を緩和する96条改定に反対は5割。平和で民主主義を求める若い世代の思いがはっきりした結果となりました。特徴的な声を紹介します。


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(写真)意識調査に答える青年(右)=東京・原宿駅前

◇女性(26)

 9条改定反対 祖母から戦争当時の話などを聞いてきた。平気で子どもを撃ったりできるのか。それをOKすることは怖い

 96条改定反対 変えやすくされると、国民はついていけなくなる

◇男性(20)

 9条改定反対 自分も人を殺したくないし、子どもたちにそういう思いをさせたくない

 96条改定反対 本当に変えたいという人が多かったら国会で3分の2の賛成が得られるはず

◇女性(19)

 9条改定反対 戦争をしたら人が死ぬだけ。話し合いをしたほうがいい

 96条改定反対 憲法を簡単に変えられちゃうと9条の戦争放棄を変えられてしまうかもしれない

◇男性

 9条改定反対 戦争しないほうがいい。自衛隊も米軍もいるし

 96条改定反対 2分の1にしようとしているということは戦争をできる国にしたいということではないかと思うので反対

◇男性(18)

 9条改定反対 戦争しないほうがいい

 96条改定分からない どちらともいえない。変えやすくしていいかげんに変えられても困るけど、変えなくちゃいけないときに変えられないと困る

◇女性(21)

 9条改定反対 9条をやめたら、(違法な武力行為をした)ほかの国のことを批判できなくなる

 96条改定分からない 自分に関係がない

◇女性

 9条改定賛成 武器は持っていたほうがいい。何かあったときにたたかえないから

 96条改定賛成 新しくしたほうがいい

◇女性(21)

 9条改定賛成 日本はいろんな国になめられている。米国に甘えてはいけない。戦争は起こらないようにしないといけないが、自分の身を守る武器は持っていい

 96条改定反対 慎重に決めないといけないと思う

◇男性

 9条改定賛成 武器は使わないけど持っておくことで、圧力になる、抑止力になると思う

 96条改定反対

◇男性

 9条改定賛成 戦争しないというのが一番いいですけど、自衛隊を国防軍にというのには賛成

 96条改定反対

図
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改憲派の思惑 若者は見透かしている

東京法律事務所 山添拓弁護士(28)

写真

 今回の意識調査では、多くの人が日本の外交や軍事、また日本が他国からどう見られているかに関心をもっていました。若い世代は政治に無関心だと言われますが、実は政治に厳しい視線を向けているとわかり、同世代ながら新鮮な感動を覚えました。

 原宿の若者は、67%が9条改定に反対、賛成は18%。単純な比較はできませんが、たとえば朝日新聞が各世代を対象に4月に行った世論調査では、反対が52%、賛成が39%でした(「朝日」5月2日付)。若年層では、9条改定反対の声がより強いといえそうです。

 特徴的なのは、「戦争はしてはいけない、武器も要らない」と、9条の1項(戦争放棄)だけでなく2項(戦力不保持)も踏まえて反対と述べた人が多いことです。9条が広く共有されている理念であり、特に若い世代では、学校などで小さいころからなじんでいることの反映ではないかと思います。私も参加している東京の「国防軍反対デモ」にも、「これはヤバイ」といって飛び入り参加する中高生の姿があります。

 一方、9条改定に賛成とした人のなかにも、「米軍が守ってくれるとは限らない」など、鋭い意見がありました。いま、改憲推進派が目指すのは、集団的自衛権を行使して米国とともに戦争ができるようにすることですが、これを理由に賛成という人は一人もいません。改憲派のねらいと、若者の意識は乖離(かいり)しています。

 96条については、過半数が改定に反対でしたが、「わからない」も27%。調査対象者のほとんどが96条自体を知らなかったとのことですので、条文の知名度が影響しています。それでも説明を聞くと、「(改憲派が)自分たちがやりづらいから変えるみたいだ」「本当に変える必要があるなら国会でも3分の2になるはずでは?」という意見も。改憲派のねらいはすぐに見透かされます。民意を正確に反映した国会で、真摯(しんし)な議論の末に改正を発議することは憲法が予定する改正のあり方です。しかし、いまはその国会議員の選挙すら、最高裁で憲法違反とされ民主主義がないがしろにされています。そんな国会に、私たちの大事な憲法を簡単に変えようとされたらどうなるか。

 変えたい勢力が変えやすくするのはあまりに危険ではないか―。憲法は、国民が国家を縛るためのもので、変えるかどうかの決定権は、国民にあります。


■調査を終えて

 たくさんの若者たちでにぎわう昼下がりの原宿―。個性的なファッションを着こなし、友達同士で楽しくおしゃべりしながら歩く若者たちを見て、ここで意識調査ができるのかと、同世代ながら不安が募りました。しかし、そんな不安を抱きつつ、立ち止まっている女性に話しかけてみると、二つ返事で気軽に応じてくれました。「戦争をしても人が死ぬだけで何も変わらない。話し合いをしたほうがいい」と9条改定に反対の意思を表明した彼女は19歳。これから有権者になる世代の若者です。今回の調査では、9条、96条ともに改定に反対という声が多数を占めました。これは、大手メディアが行う世論調査には表れなかった若い世代に特徴的な結果だと言えます。参院選に向け、改憲阻止の取り組みが正念場を迎える中で、とても明確な結果となったのではないでしょうか。(丹田智之)


憲法9条

 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 2.前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

憲法96条

 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票または国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。


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