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2013年4月30日(火)

きょうの潮流

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 推理小説といえば、事件や犯罪に題材をとり、なぞや犯人を解明していく場合が多い。社会的な背景や複雑な心の内面にせまっていく過程に、つい時間を忘れて引きこまれてしまいます▼昔から、民主的な裁判制度をもたない国では推理小説は育たない、といわれます。たとえば戦前の日本では、警察の拷問による自白が有罪の決め手になりました。これではアリバイを推理しても無意味で、小説も成り立ちません▼そうした権力による犯罪や犯人のでっち上げに、いつもきびしい目をむけてきたのが作家の佐野洋さんでした。新聞記者の経験を生かした綿密な取材と調査で、辰野事件や布川事件をはじめとする冤罪(えんざい)を世に問い直しました▼1986年に発覚した公安警察による日本共産党の緒方靖夫国際部長宅盗聴事件では裁判を支援。それをもとにした『卑劣な耳』で、国家権力である警察組織の怖さと汚さを描きました▼マスコミ九条の会の呼びかけ人でもあった佐野さん。前に緒方さんとの対談で話していました。日本は今の憲法によって平和の哲学をもった国になった。たとえ海外派兵を要請されても、戦争を放棄した哲学を堂々と主張し、断ればいいと▼軍国教育をうけた佐野さんは、はじめて憲法を読んだときに感激したそうです。だからでしょうか。大切な憲法を守る共産党に期待し、支持を寄せてきました。「後戻りさせることは子孫にたいする『犯罪』であり、それをくいとめるのが私たちの責務」。その遺志を引き継ぎたい。


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