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2013年4月18日(木)

きょうの潮流

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 米国ボストンでは、4月の第3月曜日は祝日です。イギリスの植民地だったアメリカが1775年に独立戦争を開始したときにちなみました。ボストンは独立の象徴的な舞台でした▼翌年、アメリカは独立宣言を公布。前文で「すべての人間は平等につくられている」とうたいます。人権をかかげた宣言は後々も影響をあたえました。しかし当時の「平等」には先住民や黒人、女性はふくまれず、それは負の歴史として今も横たわっています▼その祝日に、毎年ボストン・マラソンは催されてきました。きっかけは近代五輪が始まった1896年のアテネ大会。そこでマラソン競技を観戦したボストン・アスレチック協会の会長が感銘をうけ、97年に開催したのが最初です▼世界で最も伝統あるこのマラソンは、女子選手や車いすでの参加を初めて認めた大会でした。ランナーに温かい運営や観客の応援は他のレースのお手本になるほど。いまでは世界中のランナーが一度は走ってみたいとあこがれる大会です▼そこで歓声が悲鳴に変わりました。祝福に包まれるゴール近く。8歳の少年をふくむ3人の命をうばい、多数の負傷者をだした爆弾事件。犯人や動機はまだ不明ですが、それが何であれ、卑劣さに怒りが消えません▼思想信条や肌のちがいをこえてつどう平和の象徴。心をかよわせ、結びつくスポーツの場に、暴力や憎悪をもちこんで何を訴えるというのか。人間が人間によるテロ行為におびえつづければ、社会も閉ざされていくだけです。


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