2013年3月21日(木)
イラク反戦 運動新たに
米平和組織よびかけ 主要紙も「教訓」社説
【サンフランシスコ=山崎伸治】米国でイラク戦争開始から10年となった19日、反戦・平和組織などが新たな運動を呼び掛け、比較的小規模の地域的な取り組みがいくつか行われました。オバマ米大統領は短い声明を発表。イラク戦争の「教訓」を社説で論じた主要紙もありました。
「反戦イラク帰還兵の会」(IVAW)や法律家組織「憲法権利センター」(CCR)などは同日、「イラク国民、米帰還兵、アフガン国民にとって戦争は終わっていない」として、米政府の責任を追及する新たなキャンペーンを開始することを発表。戦争によるさまざまな被害を訴えていくとしています。
オバマ大統領は開戦10年にあたって発表した声明で、イラクに派遣された150万人の兵士を称賛し、およそ4500人の米国人の死者に哀悼の意を表しました。
しかし戦争の是非には触れないまま。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は19日、開戦10年にあたって「(民主・共和の)いずれの党も、何が成功で何が失敗か、誰が正しくて誰が間違っていたか、再考する気はほとんどなかった」と報じました。
米紙ボストン・グローブは19日付社説で、イラク戦争を通じ「われわれは軍事力の行使について改めて疑いを持った」と表明。「世界はいまも米国の指導性を求めているが、それは数万人の占領軍という形である必要はない」として、軍事力以外で貢献をすべきだと論じました。
全国紙USAトゥデーは社説で、「国を戦争に急がせようとする指導者には注意せよ」というのがイラク戦争の「最も有益な教訓だ」と指摘。ブッシュ前政権によるうそで始まった戦争を改めて批判しました。