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2013年3月18日(月)

主張

選挙制度改革

民意が生きる制度にしてこそ

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 昨年の総選挙での小選挙区の「1票の格差」をめぐる裁判で「違憲」や「違憲状態」の判決が相次ぎ、一方、自民、公明の与党と民主党を中心に衆院の比例代表定数の削減をめぐる協議が本格化するなど、選挙制度改革問題が急浮上しています。選挙制度は主権者である国民がその意思を国会などの議席に反映させる、民主主義の基本的な仕組みです。一部の政党の党略だけで処理していいものではありません。もっとも大切なのは主権者である国民の権利が正当に保障されることです。

比例代表制は民主的

 現在の衆院の選挙制度は、全国300の小選挙区でそれぞれ1人の議員を選ぶ小選挙区と、全国を11のブロックに分け各党の得票に応じて議席を配分する比例代表選挙を組み合わせた「小選挙区比例代表並立制」です。

 主権者の政治参加を保障する観点で見れば、主権者の投票が議席にそのまま反映される比例代表がもっとも民主的な制度です。小選挙区は大政党に有利なうえ、得票が1票でも多ければ議席が獲得できるため議席に結びつかない大量の「死に票」が発生する非民主的な制度です。

 昨年末の総選挙では、自民党は小選挙区ではわずか4割台の得票なのに約8割の議席を独占しました。一方、せっかく投票したのに議席に結びつかなかった「死に票」は投票総数の53%にものぼりました。主権者の投票の半分以上が議席に反映しない選挙制度が、民主国家にふさわしい制度とはとてもいえません。

 いま各地の裁判で問題になっている小選挙区の「1票の格差」も、小選挙区だからこそ深刻になるのです。選挙区を細分化すれば人口が変動するたびごとに区割りを変更しなければ格差が繰り返されます。昨年の総選挙直前、当時与党の民主党と野党の自民、公明は、小選挙区の定数を5削減する「0増5減」案で合意しました。しかしそれを実行しても「1票の格差」は1対1・788とほんのわずかしか縮小しません。憲法が定める「法の下の平等」に照らせば1人1票が大原則で、選挙区によって1人で2票近い投票権が行使できるというのは異常そのものです。比例代表制なら、「1票の格差」が生まれる余地がありません。

 非民主的な小選挙区制を温存し、現在の選挙制度で唯一民主的な比例代表の定数を削減するなどというのは、主権者の権利を保障する選挙制度のあり方から見て本末転倒です。比例代表の定数を削減すれば小選挙区の比重が高くなって選挙制度のゆがみがますます激しくなります。大政党以外の党はいよいよ議席が獲得しにくくなって、国民の多様な民意が国会から締め出されることになります。民意を削減する比例定数の削減はやめるべきです。

抜本的な改革実現を

 現在の小選挙区を温存する「1票の格差」の是正にとどめず、選挙制度を抜本改革し、主権者の権利が保障される選挙制度にすべきだというのが多くの国民の願いです。小選挙区の温存と比例定数の削減に固執しているのは、自民や民主など大政党です。

 こうした大政党の党略的な策動を打ち破り、比例代表制を中心にした抜本的な選挙制度改革を実現することが急務です。


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