2013年3月6日(水)
主張
オスプレイ本土訓練開始
痛みのたらい回し許されない
在日米軍が今日から3日間、沖縄の米海兵隊普天間基地に配備された新型輸送機オスプレイのうち3機を山口県の岩国基地に移し、低空飛行などの訓練を開始する計画です。米軍が本土に設定した低空飛行訓練ルートを使ってのオスプレイの飛行訓練は初めてです。
沖縄では県民がオスプレイの墜落に不安を募らせ、安倍晋三首相に配備撤回を直訴する事態になっています。この声をふみにじり、さらに本土での飛行訓練にふみだし、沖縄の痛みを本土にも押し付けるのは許されません。危険と痛みの押し付けをやめさせ、配備を撤回させることが重要です。
墜落の不安募るばかり
岩国基地を拠点にしたオスプレイの飛行訓練には、四国の「オレンジ」とよばれるルートを使った低空飛行訓練とともに、夜間飛行訓練、兵員・物資の輸送訓練が含まれます。いつ、どこを、どう飛行するのか米軍は明らかにしていません。米軍は、東北(2本)、北信越、近畿・四国、中国、九州、沖縄・奄美に勝手に設定した飛行ルート以外にも、基地周辺などで傍若無人な訓練をするおそれがあります。日本側にくわしい飛行計画も知らせないのは、日本国民の命さえかえりみない米軍の横暴さを示すものです。
低空を高速で飛び回る低空飛行訓練は重大です。これまでも本土各地の住民は、米軍戦闘機などがくりかえしている低空飛行訓練による墜落の恐怖と爆音被害で苦しみ続けています。そのうえ墜落事故をくりかえしているオスプレイが加われば、住民の苦しみがさらに大きくなります。
オスプレイは沖縄に配備されてから5カ月がたちますが、人口密集地や学校上空は飛ばないなどとした日米合意もふみにじって、まさに傍若無人な飛行を繰り返しています。県民は怒りを強め、県議会と県下すべての自治体はオスプレイの配備撤回の意見書・決議をあげています。本土での飛行訓練も住民の安全を守る保証がないのは明白です。飛行ルート直下の100を超える自治体がオスプレイの飛行訓練に反対し、沖縄配備の撤回を求める意見書や決議をあげているのは当然です。
オスプレイは、敵のレーダーでの探知や敵国の戦闘機による攻撃を避けるために超低空で海外の戦場に侵入し、兵士や物資を輸送するのが任務です。そのための低空飛行訓練で住民を危険にさらすのは絶対に許されません。米国の専門家がオスプレイは山間部特有の風で墜落する可能性があると警告しているのに、山間部が多い低空飛行ルートで飛行訓練を行えば、墜落の危険が大きくなるのは明らかです。沖縄県民と本土各地の住民の生命を脅かす危険の押し付けはやめるべきです。
沖縄と本土が連帯して
米軍は沖縄配備のオスプレイを今夏12機追加し24機にする計画です。そうなれば沖縄県内での傍若無人な飛行が激増するだけでなく、本土での飛行もさらに増え、日本国民全体がいっそう墜落の危険にさらされることになります。
オスプレイの沖縄配備を撤回させ米国に持ち帰らせるとともに、「世界一危険」な普天間基地そのものを閉鎖・撤去することがどうしても必要です。そのために沖縄と本土が連帯をさらに強め、たたかいを広げることが重要です。