「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年2月28日(木)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 『十五少年漂流記』『海底二万里』『八十日間世界一周』。フランスの冒険小説家ジュール・ヴェルヌによって、若い心はなんども未知への世界にいざなわれました。そのヴェルヌを流行作家におしあげたのが『気球に乗って五週間』でした▼イギリス人探検家ら3人が自作の気球でアフリカ大陸を横断。行く手にまつさまざまな危機や困難をのりこえ、ナイル川の源流をめざす物語です▼この小説が世に出たのは150年前。謎につつまれていたナイル川は、いまも悠久の大河として旅人をひきつけます。その川を上空からみおろしながら、壮大な古代遺跡を一望できる人気の気球ツアーが惨事をまねきました▼場所は、王家の谷など世界遺産を抱えるエジプトの観光都市ルクソール。不安定な着陸直前に気球のかごが炎上し、操縦士ら数人が飛び降り、再上昇して爆発。日本人4人をふくむ19人が犠牲になりました。操作ミスや燃料漏れが指摘されています▼究明はこれからですが、事故をおこした運航会社は安全面で不安の声があがっていました。利用をやめた旅行会社もあります。気球ツアー自体も過去にトラブルが相次ぎ、4年前にも墜落して16人が負傷しています▼いまや新聞をめくると、国内外のツアー広告が競いあってならびます。昨年の海外旅行者数は史上最多の約1850万人。手軽なツアーが増える一方で、海外での事故は後を絶ちません。より安くと、安全対策は二の次。事故がおきたら自己責任ではすまされないでしょう。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって