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2013年2月25日(月)

主張

安倍政権2カ月

致命的弱点はどうにも隠せぬ

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 昨年末の総選挙で民主党政権と交代し、3年4カ月ぶりに自民・公明連立の安倍晋三政権が発足して、26日で2カ月を迎えます。

 安倍氏自身5年4カ月ぶりの復活となった安倍政権は、この2カ月間、「危機突破内閣」を看板に、「強い経済」を目指す「三本の矢」の対策や、「国益を守る、主張する」外交などの政策を次々打ち出してきました。しかし、原因も責任も明らかにしない「デフレ不況」対策では打開の展望は示せず、軍事費の突出や憲法違反の「集団的自衛権行使」の策動では国際的な懸念さえ引き起こすなど、致命的な弱点はどうにも隠せません。

原因も責任も明らかにせず

 安倍政権は発足早々「緊急経済対策」と今年度の第2次補正予算案を決定、日銀に「2%」の物価目標を押し付け、新年度予算案も編成しました。補正予算案の審議は大詰めを迎え、今週は新年度予算案も国会に提出されます。異常な金融緩和と公共事業追加などの財政出動、大企業を応援する「成長」戦略が「三本の矢」です。

 「デフレ不況」といわれる日本経済の停滞は、国民の所得が落ち込み、消費が減って、企業の売り上げも伸びなくなっているのが原因です。大企業の賃下げと非正規雇用の拡大をやめさせ、国民の所得と雇用を増やさなければ打開できません。安倍政権の「三本の矢」の対策は、不況の原因も、これまで政権を担当してきた自らの責任も明らかにせず、過去の自民党政権の破綻した政策を並べただけです。「デフレ不況」打開の展望を国民に示すどころではありません。

 実際、「2%」の物価目標といいますが、物価が上がっただけで賃金や年金がさらに目減りするのではないかということへの国民の懸念は深刻です。安倍首相も賃上げの必要は認めましたが、この間やったのは財界への「要望」だけです。本腰を入れた対策をとらせることが急務です。円安は国内で物価の高騰を引き起こしているだけでなく日本は円安を「誘導」しているのではないかという批判も上がっています。安倍首相や麻生太郎財務相も弁解に大わらわです。

 安倍政権は、新年度予算案で軍事費を「11年ぶり」(防衛省)に増額し、「集団的自衛権」の行使や「日本版NSC(国家安全保障会議)」設置のための有識者会議を発足させました。結論を先送りしているのは国民の批判を恐れるからですが、軍事一辺倒の対応では国民だけでなく、周辺国の懸念をかき立てるだけです。安倍政権は、沖縄県民が怒りを募らせている米軍の新型輸送機オスプレイの配備でも普天間基地の撤去でも、県民の総意に応える姿勢がありません。アメリカに言うべきことを言わないのでは、「主張する外交」といっても国民の願いに応えられません。

政治の大変革は不可欠

 安倍政権は発足から2カ月を目前とした日米首脳会談で、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加の姿勢を浮き彫りにしました。「日米同盟の絆」を売り物にしながらTPP参加を強行すれば、重大な重荷を背負うのは明らかです。

 内政でも外交でも国民に打開の方向を示せない安倍政権では、安心して政治が任せられないのは明らかです。財界・大企業の横暴を正し、アメリカの圧力にはきっぱり「ノー」をいう政治への根本的な変革がいよいよ重要です。


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