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2013年2月16日(土)

きょうの潮流

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 面積と言えば「縦×横」と単純に思い浮かべます。しかし、穀物栽培の労働や収穫で面積を測った時代を『面積の発見』で知りました(武藤徹著、岩波書店)▼3000年以上も昔のメソポタミアの絵として、漏斗(じょうご)付きのすきを牛にひかせる図が同書にあります。漏斗に入れた大麦を畑にむらなくまき、その量180粒を畑の広さの単位にしたといいます。15世紀の朝鮮の書物には、1頭の牛が4日がかりで耕す広さを表す単位が記されていると▼日本では平安時代に編まれた書に「段」という単位が出てきます。著者の解説では、1人が1年に必要とするコメを収穫する広さに当たります。面積の概念は徴税の必要から考え出されたそうで、社会と数学の関係が面白い▼さて、面積の大きさを読み手にイメージしてもらうため、東京ドーム何個分と表現することがあります。たとえば東京電力福島第1原発の敷地なら、東京ドーム約75個分です。事故の当時、水素爆発で鉄骨などがむき出しの原子炉建屋を上空から撮影した映像が繰り返し流れました。ただ、敷地全体に目が向くことはありませんでした▼現在はどうでしょう。たまに流れる映像に、何十何百とタンクが並ぶさまが目を引きます。タンクの中は放射能に汚染された水です。タンクは増え続ける一方。汚染水を減らす見通しは立っていないからです▼3、4年で敷地内に収まりきれないと聞きます。事故が終わっていないことを思い知らされます。事故から2年になろうとしています。


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