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2013年2月8日(金)

きょうの潮流

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 映画「東京家族」の観客動員数が100万人を突破し、興行収入も10億円をこえました。地味な作品の健闘ぶりに、配給元の松竹も期待通りと評価しています▼瀬戸内の小島に暮らす老夫婦が子どもに会うため東京へ。久しぶりに家族全員が顔をそろえたものの、都会で忙しく生きる子どもたちとだんだんすれ違いが―。ひとつの家族の姿を通し、現代社会がかかえる問題をあぶりだします▼老父役を淡々と演じた橋爪功さんは「一人ひとりの胸のなかに何かがストンと落ちる作品」といいます。ほぼ同年代の役。子どもたちはそれぞれ独立して、もう期待していないし、ある意味、人生をやり終えたという思いを抱いている、とその心情を語ります▼大家族から核家族、そして個々に生きる時代へ。家族の移り変わりは、日本社会の変化を映し出します。長時間労働で家族だんらんの時間がもてない。社会から置き去りにされた人たちの孤独死。他人とうまくつきあえない若者…▼「どこかで間違ごうてしもうたんじゃ、この国は」。映画のなかの主人公が叫びます。家族をテーマにして映画を撮ってきた山田洋次監督は「いま日本がいちばん考えなくてはいけないのは、ほんとうの幸せは何かということ」▼東日本大震災後の東京を描きたいと、山田監督は撮影をいちど延期しました。美しい瀬戸内海が映る。その向こうに祝島があって、その対岸は原発の建設予定地。「そんなことがあっていいのかと思いながら、ぼくたちはフィルムを回した」


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