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2012年12月30日(日)

きょうの潮流

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 投手を射抜くような鋭い眼光、おとなびた風貌、大きな体。松井秀喜選手を最初に意識したのは20年前、夏の甲子園でした。その試合で、松井選手は一度もバットを振ることなく敗れました。あの5打席連続敬遠です▼あまりの強打ぶりに相手チームの監督がとった作戦。スポーツとは、高校野球とは―真正面から問う一大論争を巻き起こしました。本紙はフェアプレー論を主張し、反響を呼んだ覚えがあります▼当事者である本人はその後、「5打席連続で敬遠された打者であることを証明しなければならないという気持ちがあった」と振り返っています。悔しさをのみ込み、成長の糧とする。希代のスラッガーをつくった信条でしょう▼プロ野球に入ってからも注目してきました。日本人離れしたパワーや打球の飛距離。野球の華といわれるホームランの魅力を、彼ほど感じさせてくれる打者はいませんでした▼10年前、巨人で3度目の日本一になった直後でした。夢の大リーグ挑戦を表明した松井選手の表情には悲壮感さえ漂っていました。「今は何をいっても裏切り者といわれるかもしれない…決断した以上は命をかける」。つねにファンや周りの期待にこたえようとしてきた、彼の覚悟でした▼度重なるけがに泣き、その命がけのプレーも終わりを迎えました。松井選手はいつも、広く深い心と、強く動じない心をもちたいと思っていたそうです。野球を通して大きくしてきた人間としての器。今度はそれを指導者の立場で発揮してほしい。


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