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2012年11月25日(日)

きょうの潮流

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 ひとすじの道を、まっすぐに、ひたむきに生きた人でした。92歳で息を引き取った女優の森光子さん。前人未到の上演2017回を達成した主演舞台「放浪記」は半世紀をかけた偉業でした▼幼いころから苦労の連続でした。13歳で両親を亡くし、映画界入りしたものの、すぐに戦争の暗い影が押し寄せます。念願のレコードは検閲で廃盤。戦地慰問で空襲にあい、命拾いの体験もしています▼その後も病気や貧しさに苦しめられ、「その日その日が食べられればいい、無事に過ごせたらいい」という、不遇の時代がつづきました。そしてデビューしてから27年目、41歳で主役の座をつかんだのが放浪記でした(長谷川正人著『女優 森光子』)▼あの「お母さん」と慕われた飾らない性格、だれにでも優しく心を寄せる態度。それは、先の見えない日々をたくましく歩んできた経験からにじみ出てきたものでしょう▼本紙にもたびたび登場してくれた森さん。創刊75周年のときには平和への強い思いを語っています。「戦争は、しちゃいけないんですよ。だれもが戦争は阻止したいと思っています。幸せな生活を送るには平和でなきゃできません。もっともっと平和のキャンペーンを張ってくださることを期待しております」▼森さんが信頼を寄せた「赤旗」は今年で84歳。いわば、同じ時代の空気を吸い、共有し、生き抜いてきた「戦友」ともいえるでしょう。きな臭い勢力がふたたび台頭しようとするいま、森さんらの思いに改めてこたえたい。


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