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2012年11月15日(木)

きょうの潮流

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 映画「男はつらいよ」最終作「寅次郎紅の花」の冒頭シーン。岡山県津山市にある美作滝尾(みまさかたきお)駅の駅員を演じたのが、先日亡くなった桜井センリさんでした▼ひょうひょうとした演技に、つい頬がゆるむようなユーモアがにじむ。多くの作品をともにつくった山田洋次監督は「ほんの数カット映るだけで映画全体になごやかな雰囲気が漂う。そんなセンリさんは、ある時期ぼくの映画にはいなくてはならない俳優でした」▼これで一世を風靡(ふうび)したクレージーキャッツのメンバーも、ご健在は犬塚弘さん一人に。ハナ肇、植木等さんをはじめ、コメディアンとしての印象がつよかった面々も出発はジャズバンド。桜井さんもピアニストでした▼戦後のバンドブームから舞台、映画、テレビと活躍の場をひろげてきた7人グループ。彼らの歩みは、そのまま時代の側面を描き出します。その姿に、みずからの青春や老後を重ねてきた人も多いはず▼それにしても、今年は年輪を刻んだ俳優が相次いで世を去りました。大滝秀治、山田五十鈴、津島恵子、淡島千景、三崎千恵子、二谷英明、馬渕晴子、地井武男…。そして昨夜、森光子さんの訃報がとびこんできました。テレビ放送が始まってから60年の区切りに、寂しさが募ります▼高倉健さんの言葉が味わい深い。「俳優にとって大切なのは、造形と人生経験と本人の生き方。生き方が芝居に出るんでしょうね」。時代を背負い、人生を映し出す。そんな役者がまたひとり、スクリーンから消えていきました。


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