「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年11月9日(金)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「家」、つまり「いえ」はもともと「かまど」をさす言葉だった。そんな説があります▼辞書で、「へ(竈)」は火をたく「かまど」です。接頭語の「い」がついて「いへ」、いまの「いえ」になったといいます。接頭語とは、「お寺」の「お」のたぐいです。「かまど=家」説は、火が人を結びつけたという見方を裏づけるそうです▼人類が生きてゆくのに、なくてはならない火。宇都宮市の学童保育で指導員を29年間つとめた林谷政子さんは、子どもと火をめぐる体験談をつづっています(『せり・なずな・ごぎょう・子どもら…「わんぱくくらぶ」の日々』)▼「わんぱくくらぶ」の誕生会では、部屋の電灯を消し、祝いの歌をうたってきました。明かりは、お祝いされる子の持つろうそくの火。ところが2、3年前から、「火のついたろうそくを持つのがこわい」子が続々と現れます。結果、ろうそくなしにしました▼が、火に本能のように興味を持つ子が、ひそかにたき火を試みる“事件”も起こります。保護者と話し合い、ろうそくは復活の方向へ。火だけではありません。最近、包丁を持ったためしのない子がふえ、「こわくて使わせられない」というお母さんも多い▼林谷さんは考えます。子の成長に、通行止めや楽な回り道づくりはいらない。子どもの世界を奪い、おとなの思いが先行する現在に、“ちょっと待った”をかけ、本当はどうあればいいのか問いかけたい、と。人が本来もつ生きる力を、よびおこす問いかもしれません。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって