2012年10月27日(土)
きょうの潮流
今月3日の本紙「読者の広場」に載った関屋照代さんの投書を、覚えている人も多いでしょう。70歳の関屋さんは、大阪の藤井寺市にすんでいます▼友人たちと仙台を訪れた関屋さん。レンタカーの事業所の男性に、うらやましがられました。「大阪はいいですね、橋下さんが市長やから」。彼女は、説明につとめました▼市立病院をつぶす計画で、文化への補助金もばっさり削る。憲法改悪も考えている。弁護士だが、弱い者の味方ではない…。「本当ですか。聞かないとわからないですね。僕らはテレビでしか知らないから」と男性▼ある集会で山口県へ行った関屋さん。タクシーの運転手さんの話に、怖さを覚えます。「よろしいな、大阪は橋下さんがおられるから」。実情を語ると、「わからんもんですな。頼りになる人やと思ってました」と運転手さん▼二度あることは三度ある? 関屋さんは、集会2日目に乗った別のタクシーの運転手さんとまた同じ会話になって…。橋下氏の維新の会の支持率が落ち目なのは、山口の運転手さんのように“本当の橋下さん”を知る人がふえたからに違いないけれど▼そんなとき『週刊朝日』が、橋下氏についての連載を打ち切りました。人権への配慮に欠けた、といいます。しかし、やめてすむのかと問う声も多い。不適切さがあれば謝って当然だが、正せばいい。打ち切れば、“本当の橋下さん”を報じたい人たちの手を縮こまらせる、と。もちろん、本紙の場合は正々堂々、遠慮などしませんが。