「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年10月18日(木)

主張

米兵の暴行事件

基地あるがゆえの犯罪許さず

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 起きてはならない、あってはならない犯罪がまた起きました。沖縄本島中部での、米兵による女性への暴行事件です。

 女性への性的暴行は、女性の人権を侵害する重大な犯罪です。しかも米兵が来日し一時滞在した沖縄で女性を襲い暴行するなどというのは、日本でなら沖縄でなら何をやっても許されるというに等しい、言語道断な行為です。今回の暴行事件は、繰り返されている米兵犯罪の氷山の一角です。基地あるがゆえの犯罪を、絶対に許すわけにはいきません。

繰り返される米兵犯罪

 事件は16日未明に起きました。アメリカ本土の基地に所属する米海軍の3等兵曹と上等兵の容疑者が、沖縄本島中部の路上で帰宅途中の女性を襲い、性的暴行を加えたうえ、首にケガをさせたというものです。女性が容疑者の顔を覚えていたため警察に緊急逮捕されました。

 容疑者の米兵は所属するアメリカ本土の基地から神奈川県の厚木基地を経て沖縄の嘉手納基地に来ており、暴行事件は帰国する日の朝だったといいます。朝早くで、しかも2人は酒を飲んでいたといわれ、公務中などという言い訳はまったく成り立たちません。日本の法律に照らして、きびしく処罰されるのは当然です。

 事件をうけ、仲井真弘多沖縄県知事は日米両政府にきびしい対応を申し入れました。野田佳彦首相や玄葉光一郎外相、森本敏防衛相らも「あってはならない事だ」と発言しています。その言葉が本当なら、形ばかりの綱紀粛正にとどまらない対策を示すべきです。

 米兵による暴行や強盗、殺人などの犯罪は、沖縄をはじめ全国で繰り返されています。日本がアジア・太平洋戦争に敗れアメリカなどに占領されてから70年近くたつのに、日米安保条約にもとづいていまだに全国に米軍基地が置かれ、沖縄や横須賀(神奈川県)、佐世保(長崎県)など基地周辺では米兵がわが物顔で歩き回っている現実は、独立国ではとても考えられない異常このうえないものです。

 とくに沖縄は、戦争中に不当に奪った土地に基地がつくられ、「銃剣とブルドーザー」で拡大して、全国の米軍専用基地の74%が集中します。嘉手納基地は極東最大の米空軍基地としてかつてはベトナム侵略戦争などの出撃基地とされ、沖縄の海兵隊は世界で唯一海外に基地を置く「殴り込み」部隊です。1995年には米海兵隊員による少女暴行事件が発生し、島ぐるみの抗議行動が繰り広げられました。繰り返される犯罪は、米軍がいまだに沖縄を「植民地」扱いしていることを示すものです。

安保も基地もなくして

 日米安保条約や在日米軍についての地位協定で、米軍は日本国中どこでも基地を置くことが認められ、米兵が事件を起こしても「公務中」などの理由で裁判にもかけられない特権が犯罪を激化させているといわれます。県民の反対を踏みにじり米海兵隊の新型輸送機オスプレイの配備が押し付けられる根本にも安保があります。

 これまでも米兵の犯罪が起きるたび、日米両政府は地位協定の「運用改善」などでお茶をにごしてきました。これでは基地あるがゆえの犯罪はなくなりません。安保条約を廃棄し、基地そのものをなくす方向に踏み出すべきです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって