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2012年10月16日(火)

主張

原発震災1年7カ月

「即時ゼロ」の実現は急務

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 昨年3月11日に発生した東日本大震災で東京電力福島第1原発など多くの原発が被災して1年7カ月たちました。世界有数の地震国で津波の被害も多い日本に原発を建設する危険性は指摘されてきたとはいえ、重大な原発事故は原発震災の深刻さをまざまざと見せつけています。福島県ではいまだに16万人が避難生活を送っています。つい最近ようやく撮影できた1号機内部の映像も、高い放射線量のため炉心に近づけず、ガレキの処理もままならない事故の深刻さを浮き彫りにしました。事故を機に広がった「即時原発ゼロ」の国民世論の実現が重要です。

後退続ける野田政権

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1、第2原発(いずれも福島県)、東北電力女川原発(宮城県)、日本原電東海第2原発(茨城県)などは停止したままです。とくに原子炉がメルトダウン(炉心溶融)し、水素爆発で建屋も吹き飛んだ福島第1原発では、1〜4号機の廃炉が決まり、残る5、6号機と第2原発も住民から廃炉を求められています。

 最近公表された福島第1原発1号機内部の映像によれば、原子炉格納容器の底に水がたまり、内側の圧力容器から溶け出して落ちた核燃料が水につかっているとみられる状態で、付近の放射線量は人間が1時間あびれば死に至るほど高い状態です。事故の収束どころか処理もままならず、事故の対策や住民への補償に万全の策をつくすとともに、政治の責任で原発からの撤退を決断することこそ国民の切実な願いに応えるものです。

 見過ごせないのは、国民世論におされて「脱原発依存」などを口にしだした民主党の野田佳彦政権が、「2030年代に原発稼働ゼロ」という骨抜きされた目標さえ閣議決定できず、原発の無謀な再稼働や建設中の原発の工事再開など、「原発ゼロ」を帳消しにする動きを強めていることです。

 政府の「エネルギー・環境戦略会議」がまとめた「30年代に原発稼働ゼロ」の目標は「即時原発ゼロ」を求める国民世論から見れば問題にもならないものですが、それさえ野田政権が閣議決定を見送っているのは、原発を推進する財界や、日米原子力協定で日本の原発政策をコントロールするアメリカが反対したためです。

 野田政権が、建設中の電源開発大間原発(青森県)などの工事再開を認め、夏場の電力不足を口実に再稼働させた関西電力大飯原発3、4号機(福井県)についてもいまだに運転を継続させているのも、原発を推進する電力業界など「原子力ムラ」のいいなりになっていることを示しています。

撤退の決断は実現可能

 「即時原発ゼロ」を求める国民世論に対し、政府や電力会社は、原発を「ゼロ」にすれば電力が不足するとか、電気料金が高くなる、経済活動に支障をきたすなどの口実をあげて抵抗します。しかし、日本共産党が「即時原発ゼロ」実現を求める提言で明らかにしたように、節約や自然エネルギー拡大で「原発ゼロ」は実現可能です。

 重大な原発震災に目をつむって、原発推進を続けるのはもちろん、「即時原発ゼロ」をあいまいにしていては国民の安全は守られません。原発に固執する勢力を追い詰め、原発からの撤退を決断させる、国民の世論と運動が急務です。


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