「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年10月9日(火)

主張

「馬毛島」現地調査

基地化を強行するつもりか

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 米空母艦載機の離着陸訓練基地の候補地にされている鹿児島県の馬毛島(まげしま)(西之表市)に防衛省が職員を派遣し現地調査をしたことに、地元自治体が抗議しています。

 西之表市など1市3町が馬毛島の軍事基地化に一貫して反対しているのに防衛省が現地調査にふみだしたのは、米軍再編・強化を約束した昨年6月の日米合意にもとづいて、馬毛島の基地化を前に進めるためです。住民の意思を無視し、アメリカいいなりに基地化するのは許されません。住民の願いに応えて基地化の方針を撤回することが求められます。

地域住民の6割が反対

 防衛省は5月に「地元の了解なく調査を行わない」と1市3町の首長に約束しています。にもかかわらず地元に通告もせずに9月26日、8人の職員が島を訪れました。「下調べであって調査ではない」という詭弁(きべん)にも地元は憤激しています。

 重大なのは、森本敏防衛相が馬毛島を「艦載機の離着陸の訓練に使える時期がそう遠くない」(8月24日参院予算委員会)と言い放った直後だということです。自治体・住民がどんなに反対しても、基地化はやめないという意思表示です。アメリカいいなりに住民の願いをふみにじる横暴な態度に住民の怒りは強まるばかりです。

 米空母艦載機部隊の夜間離着陸訓練(NLP)を含む陸上空母離着陸訓練(FCLP)は、夜も昼も激しい爆音を伴います。広い範囲で低空飛行による爆音被害をまきちらし、墜落事故の恐怖をもたらします。周辺の自治体・住民にとって百害あって一利もない基地化はやめさせるしかありません。

 馬毛島は無人島ですが、わずか12キロ先の種子島にある西之表市、中種子町、南種子町には約3万2千人もの住民が住んでいます。40キロ先の屋久島町では1万3千人が生活しています。馬毛島が空母艦載機の離着陸訓練基地になれば、住民は「安らぎのある生活」を根底から奪われ、苦しめられます。

 自衛隊も馬毛島を訓練基地として使うため苦しみが増すのも大問題です。1市3町の自治体・住民が一体になって基地化の押し付けに反対を強めているのはやむにやまれない思いからです。

 基地化反対は住民の総意です。1市3町がつくる「米軍基地等馬毛島移設問題対策協議会」が昨年来とりくんできた「馬毛島への米軍訓練基地等の移転に反対する署名」の結果をみても明らかです。昨年10月に政府に提出した分と今年5月に提出した分を合わせると、住民総数約4万5千人のうち約2万6千人にもなります。全住民の約6割が反対しているのに、問答無用で馬毛島の基地化を前に進める企てを政府はやめるべきです。

米空母の母港返上を

 神奈川県横須賀基地を母港にする米空母はイラク侵略などに参加したように、アメリカの軍事戦略にもとづいて世界各地に駆けつける“殴り込み”部隊です。日本防衛とは無縁です。艦載機の離着陸訓練はその能力を維持・強化するためのものであり、そもそも日本国民が離着陸訓練基地を押し付けられるいわれはありません。

 政府がやるべきことは日本国内で離着陸訓練基地探しを行うことではなく、米軍に傍若無人な飛行訓練をやめさせ、横須賀基地から米空母を追い出すことです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって