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2012年10月8日(月)

主張

「体育の日」

スポーツの力、絆を生かして

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 きょうは「体育の日」です。「スポーツは国民の権利」を基本にすえたスポーツ基本法の制定から2度目の祝日になります。

 基本法は、体育の日の行事について、「広く国民があらゆる地域でそれぞれその生活の実情に即してスポーツを行うことができるような行事が実施されるよう、必要な施策を講じ、及び援助を行う」(第23条)ことを、国や自治体に求めています。

不十分な施策の現状

 いま、この基本理念と施策や援助がどのように具体化されているでしょうか。

 今年3月に文部科学省が発表した「スポーツ基本計画」は、政策目標に「成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、週3回以上の実施率が3人に1人(30%程度)になること」を掲げました。

 しかし、国の施策の現状は目標実現に程遠いものです。スポーツ施設が最盛期より9000カ所も減っているにもかかわらず、文科省の来年度の概算要求では、整備費はゼロです。これでは国民のスポーツ実施率のアップはとうてい望めません。

 スポーツ施設の老朽化も問題になっています。昨年の東日本大震災では体育館など2000カ所の天井崩落があり、災害時の避難場所として適格性を欠いています。このほど国土交通省が天上崩落防止の工事を来年度中に施工するとしていますが、ひとときも放置できない問題です。

 なかでも被災地の学校の体育館や公共スポーツ施設は崩落や破壊で使えなくなっており、その復旧も進んでいません。福島原発の放射能汚染によって外で遊ぶことも、登山や水泳などのスポーツを楽しむこともできない状況がつづいています。長引く仮設住宅での生活は、運動不足による生活習慣病や心の病などが深刻になってきています。被災地でのスポーツ施設の復旧は何よりも急がなければなりません。国がこうした施策に本腰を入れることが切実に求められています。

 スポーツに親しむことで、健康の増進とともに、多くの人々と交流し、助け合い、連帯することがはかられます。大震災が起こり、暮らしや社会の閉塞(へいそく)感が拡大する中で、このスポーツの持つ力が大事になってきています。

 ロンドンで行われたオリンピックは、スポーツのすばらしさと選手の“無限の可能性”をみせてくれました。パラリンピックの結団式では、土田和歌子選手団主将が「最高のパフォーマンスをめざし、被災地に勇気と元気を、日本に笑顔を届けたい」と決意を述べていました。オリンピックでメダルをとった選手が帰国後、被災地を訪れ、勇気を与えました。

エネルギーもらった

 これまでもスポーツ関係者が被災地支援によるスポーツ活動をいろんな形で行い、スポーツ団体によるボランティア活動も多彩に行われています。被災地では「スポーツにエネルギーをもらえた。やっと人間らしい気持ちになった」と歓迎され、連帯が強まっています。

 「体育の日」にあたって、国のスポーツ施策の充実をはかるとともに、あらためてスポーツのもつ力、スポーツを通した絆(きずな)を豊かにしてゆきたいものです。


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