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2012年10月8日(月)

きょうの潮流

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 3日亡くなった女優、馬渕晴子さんは美貌と気品を備えていただけでなく、侵略戦争美化の映画には出演しないと公言して実行した人でもあります▼その訳を約20年前、インタビューした時に聞きました。馬渕さんは祖父が陸軍中将、父は陸軍中佐で叔父は陸軍報道部長という軍人一家に育ちました。そのことと関係があるのだと、こう話しました▼「男性として誠実で、妻や子を思ういい父親だったけど、彼が職業軍人として歴史に果たした役割は別のもの。だから私は父親に批判をもつ以上、生き方で別の選択をしたいと思った」▼この取材は、戦争に翻(ほん)弄(ろう)される中国残留婦人の芝居「再会」に主演した時でした。主人公・治(はる)は、生き別れた夫と日本で再会を果たすものの夫は再婚しており、息子、その嫁、孫娘と暮らしています。戦後生まれの息子たちから「日本人に忘れられた日本人」と迎えられ、みじめさに思わず叫び慟(どう)哭(こく)します▼〈日本人は中国人や、私たち中国に残された人間を蔑(べっ)視(し)し、差別してはいませんか? 私たちは中国で日本人としての罪と罰を一身に受けて生きてきました。でも、その中国人に、私たちは助けられて生きてきたんです。どうしても私は日本に帰る。執念です〉。客席に涙をぬぐう姿がありました▼靖国問題で「赤旗」に寄せた批判談話も、歴史への責任を果たそうとする内容でした。日本軍慰安婦問題を否定する勢力が国政や地方政治で息を吹き返しつつある今、馬渕さんの死は惜しまれてなりません。


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