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2012年10月7日(日)

きょうの潮流

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 これを許せば教育の自由は瀕死(ひんし)の重傷に陥るでしょう。本紙でも再三取り上げてきた東京都教育委員会の高校教科書採択への介入問題です▼今年の検定に合格し、学校現場が選定した実教出版の『高校日本史A』に都教委が難癖をつけ、別の教科書に差し替えさせる。ある学校では都教委から4回電話があったといいます。その結果、2012年度に実教出版の『高校日本史A』を1年生で選定した高校は6校ありましたが、13年度はゼロに▼問題にしたのは「国旗・国歌法」についての側注です。〈政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし、一部の自治体で公務員への強制の動きがある。〉▼事実を書いただけですが、都教委にとっては最も不都合な真実なのでしょう。「日の丸・君が代」問題で03年以降、441人もの教員を処分したのは、ほかならぬ都教委自身ですから▼今年の早稲田大学法学部の入試の際にも都教委は奇妙な動きをしました。「政治・経済」の科目で「日の丸・君が代」をめぐる教員処分問題が扱われたことで、一部の都立高校に受験者数を報告するよう求めたのです。なんのためか。戦前の特高警察の思想弾圧を思わせる所業です▼さて、今回の“教科書差し替え事件”を高校生はどう受け止めるのでしょうか。改悪された教育基本法にかろうじて残った「教育は、不当な支配に服することなく」の表現。その意味を深めるまたとない機会になりそうです。


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