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2012年9月24日(月)

きょうの潮流

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 日本ろう者劇団の創作劇を見る機会がありました。新解釈の「小次郎×武蔵」。謎の多い佐々木小次郎を主役にすえたところが特徴です▼ある誤解から母を父に殺され、その父を自分が殺すという悲劇を内包した物語。青年・小次郎が心に抱えた闇と孤独は、いかばかりであったか…。小次郎の師匠を演じる渚香織さんは、元日劇のダンサーです。現役時代は指揮の棒や照明、風を頼りに踊り、聞こえないことを仲間にすら伏せていたというから驚きです▼健聴者に合わせて生きてきた渚さん。ろう者劇団に入った11年前は、手話がわからず外国に来たような気持ちだったそうです。でも、みんなが手話で話している不思議な世界を見て、人生観が変わったと。劇団仲間と手話でにぎやかにおしゃべりし、笑い合う姿は生き生きしています▼劇団は32年前に演劇好きのろう者が集まり、東京ろう演劇サークルとして発足しました。その後、黒柳徹子さんと出会い、トット基金の付帯劇団に。87年に芸術祭賞を受賞したこともある手話狂言は、黒柳さんの発案だといいます▼活動の拠点であるトット文化館は、手話が“公用語”です。日本では最近まで手話は法律上、言語として認められていませんでした。ろう教育の現場でも長く手話は排除されてきました。手話を言語と規定した「改正障害者基本法」が全会一致で可決・成立したのは、ほんの1年前のことです▼苦難の末の第一歩。これを絵に描いた餅にしないために。まずは、ろう文化に触れてみては―。


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