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2012年8月14日(火)

主張

ロンドン五輪閉幕

躍動のチームジャパンに感動

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 17日間にわたる熱闘の終わりです。ロンドン五輪組織委員会のセバスチャン・コー会長は「誇り高き2週間は終わりになるが、五輪の精神は世代を超えて引き継がれていく。われわれはやり遂げたという言葉で締めくくりたい」とのべました。30回目となった夏季オリンピック・ロンドン大会は、大きな混乱もなく成功裏に幕を閉じました。

選手の自主性発揮して

 204の国と地域からつどったトップアスリートたちの競いあいは連日感動と興奮を呼びました。史上最多となる38個のメダルを獲得した日本選手団の大奮闘は、東日本大震災の被災者をはじめ、国民を大いに勇気付けました。

 今回の日本選手団の大きな特徴は、団体競技の団結力とともに、自立した選手が増えてきたことです。スポーツを職業とするプロ選手として、日々自覚的に練習にとりくみ、自分自身と向き合い、成長していく―。それが、大舞台で力を発揮できるたくましさにもつながっているのでしょう。

 そうした選手の自主性を促す指導も定着してきました。28年ぶりにメダルをとったバレーボール女子の真鍋政義監督や、サッカー女子に初めてメダルをもたらした佐々木則夫監督をはじめ、選手を叱咤(しった)するより話し合いを重視する指導者が主流になってきました。日本のスポーツ界では指導者に服従する体質が色濃く残っていましたが、そこに変化が生まれ、選手が主役となっていきいきと活躍する姿は時代の進歩です。

 日本チームの躍進の背景には、選手強化の拠点であるナショナルトレーニングセンター(東京都北区)の存在があります。2008年から本格利用が始まり、その成果が初めて試される五輪でした。専用の練習場や食堂、宿泊施設を備え選手は長・短期の合宿で腰をすえた練習が可能になりました。

 国立スポーツ科学センターが隣接し、医科学的な支援も受けられます。1カ所に集まることで他競技との交流もすすみ、「チームジャパン」の意識も醸成されてきました。利用料負担を軽減することや、国からの恩恵を受けていないマイナー競技への支援、冬季スポーツの強化拠点づくりが今後の課題でしょう。

 ロンドン大会ではスローガンで、若者や女性のスポーツ参加を促すことを呼びかけました。サウジアラビアから初めて派遣された女子のサラ・アッタール選手が陸上800メートルで堂々とした走りをみせ、大きな歓声を浴びました。その姿は女性のスポーツ参加が遅れている国々の選手を励ますとともに、男女の差別をなくす世界をつくろうというアピールとなりました。子どもたちにさまざまなスポーツにふれる機会をつくったことも大きな遺産です。

聖火は4年後のリオへ

 一方で、オリンピックやスポーツの根幹を揺るがす残念な事件も起きました。バドミントンなどにみられた無気力試合です。故意に負けようとしたり、勝つために最善を尽くしたりしない姿勢は、スポーツへの信頼をそこなう行為です。審判の判定が覆る問題も、競技の土台を掘り崩すものです。

 ドーピング(禁止薬物使用)も依然として暗い影を落としています。こうした課題に取り組みながら、聖火は4年後のブラジル・リオデジャネイロへ引き継がれます。


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