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2012年8月9日(木)

きょうの潮流

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 「その時、巨大な火の玉をみた。地球の中から飛び出した火の玉のようであり…地上から異様な光景がわきだして、新しい生命が生まれてきているようだった」▼1945年8月9日午前、長崎の上空。原爆を落とした米軍機の搭乗員、ニューヨーク・タイムズ特派員ウイリアム・L・ローレンスの報告です。彼は、「怪物」のようなキノコ雲も「生命力に満ちているようだった」と書きました▼勝ち誇るように「感動した」とのべた報告は、のちに非難されます。「火の玉」「怪物」の下で地上の地獄をみた人への同情もない、と。もともとアメリカ政府・軍みずから、広島・長崎の中心の上空で原爆を爆発させる考えでした▼日本軍の施設や兵器工場をねらうだけなら、通常爆弾ですむはずです。しかし、どれほど大量に人を殺傷できるか試す思惑もあり、原爆を使ったのです。敵・味方をこえて被爆者が生まれました▼三十数カ国におよぶ国の人々が、被爆したとみられます。日本に連行されていた韓国・朝鮮人。長崎で捕虜になっていたオランダ軍兵士。戦後に広島や長崎にきた米軍兵士…。核兵器をなくす運動は、初めから国境をこえた人々の願いに根ざしています▼日本原水爆被害者団体協議会の「原爆と人間展」に紹介されている日本の被爆者の叫びが、みる人たちを奮い立たせています。「俺は十歳で原爆孤児になった/…原爆は俺の体の中で ガンになって生きている/俺は死ねないんだ。原爆と心中するまでは―」(福田良弌(りょういち)さん)。


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