「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年8月3日(金)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 動物たちが集まり、相談を始めました。運動会を開こう。さて、どんな競技がいいのやら▼宮沢賢治の童話、「けだもの運動会」です。トラは、「引き裂き競争」を提案します。組んだ相手を引き裂く。しかし、1等賞の1匹だけ残して動物は滅んでしまうので、採用されません。ゾウの提案は、「鉄棒ぶらさがり競争」です▼動物の体つきや得手はばらばらだから、鉄棒へのとりつきは指でもひじでも足でもいい。「公平だ」「名案だ」と採用されます。1等の本命はサルだが、「それもやってみなければわからない」。ほんと、サルは途中で落ち、1等賞は誰? 残念ながら、賢治の原稿が残っておらず謎です▼滅ぼしあうのではなく、ともに生きる。競い合いは公平に。なんだか、オリンピックのようです。本命の選手でも結果は「やってみなければわからない」、競技のむずかしさもほのめかしています▼ロンドン五輪の体操個人総合の本命、内村航平選手が優勝を果たしました。予選で思わぬ不調、団体総合のあん馬では後味悪い降り技ミスもあり、苦しんだ末の栄冠です。練習の積み重ねに裏打ちされた美技の連続は、観客を魅了し、立花泰則監督に「人類で究極の動き」といわせました▼「ようやく、自分が自分であることを証明できた」と内村選手。が、「満足したなという思いはありません。自分の理想が表現できたときでも終着点ではない」と語ります。「自分の限界に挑戦したい」。それは、人類の限界に挑んでゆく旅です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって