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2012年7月19日(木)

きょうの潮流

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 日傘を手放せない季節がめぐってきました。肌を焼く炎熱。大安売りで買った愛用の日傘が、命綱とさえ思えてきます▼しかし、傘を閉じた方が涼しいところもあります。通勤路に100メートルあまり続く、森の木陰の歩道です。風はそよとも吹かないのに、かすかな空気の流れが森からあふれ出て、涼気を運んでくる。気のせいでしょうか▼木陰の気温は、炎天下より2度から5度ほど低い。木が日差しをさえぎるだけではありません。「蒸散」のはたらきが大きい。植物が、葉や茎から水分を外気に放出する蒸散。水分を水蒸気に気化させるエネルギーを周りから奪い、あたりの空気を冷やします▼暑い夏。木は、日光の熱で葉を痛めないよう、蒸散で冷ましてみずからも守っているようです。一人前に成長した1本の木が放出する水分は、1日あたり約1トンといいます。森の木陰が涼しいはずです▼対して、コンクリート砂漠の都心へくると、蒸散の冷やし効果は少ない。夜は夜で、日中にコンクリートにこもった熱が放出され、暑苦しい。そこで長時間労働の事業所のビルなどでエアコンをつけると、その放出熱がさらに外気をあたためます▼“原発がほとんど止まっているから節電を”といいますが、やっぱりおかしい。危ない原発を動かすのにカネをばらまくより、都市の鉄とコンクリートの開発を抑え木々の緑いっぱいの街をつくる方が、よほど暮らしやすい省エネ社会に近づけるのでは? 「緑蔭(りょくいん)に染まるばかりに歩くなり」(星野立子)


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