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2012年7月3日(火)

きょうの潮流

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 「サッカーは魔法を使って、すべての人々を夢中にさせる」。ブラジルの“王様”ペレの言葉です。1日、スペインが史上初の連覇で、その幕を閉じたサッカーの欧州選手権。“魔法”にかかった人も多かったのでは▼今大会は人々を夢中にさせる、あるストライカーが出てきました。イタリアのバロテリ(21)です。ガーナ出身で黒人特有の高い身体能力と技術を持ち、準決勝では2ゴールと、鮮烈な印象を残しました▼彼は大会前、こう話しています。人種差別的なやじや中傷があったら、「俺は絶対に受け入れないよ。そんなことが起きたらすぐにピッチを去って家に帰る」。過去にも忌まわしい経験があったからです▼欧州では一部のサポーターが、黒人選手らにやじを浴びせ、サルをまねた声をあげ、バナナの皮を投げるなど差別的行為を繰り返し、問題になっています。背景にネオナチなど右翼的な潮流があるといわれます▼こんな事態が起きないよう、欧州サッカー連盟は今回、「リスペクト ダイバーシティ(多様性を尊重しよう)」と啓もう活動を行いました。準決勝では、4チームのキャプテンがマイクを手に、人種差別をやめようと呼びかけています▼バロテリが途中で「家に帰る」ことはありませんでした。しかし、数カ国のサポーターが問題行動を起こしました。差別の根っこは社会にあります。フェアな意識を育むスポーツがこれとたたかうことは大事な役割の一つ。人間とスポーツの尊厳をかけたたたかいは続きます。


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