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2012年7月3日(火)

主張

大飯原発3号機臨界

今からでも再稼働を中止せよ

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 野田佳彦政権が原発再稼働を決めたのを受け、運転再開の準備を進めてきた関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、まず3号機が1日夜から制御棒を引き抜く再起動の作業を始め2日朝核分裂が連続して起きる臨界に達したと発表しました。原発再稼働に反対する国民世論を踏みにじるものです。

 昨年の東京電力福島原発の事故のあと次々と停止してきた原発の再稼働は、一片の道理も根拠もありません。首相官邸前や大阪の関電本社前に多数の国民が詰めかけたように、国民の反対は日に日に広がっています。原発再稼働は今からでも中止すべきです。

「原発ゼロ」定着を恐れ

 関西電力は、臨界に達したとする大飯原発3号機について、早ければ4日にも発電用のタービンと送電線をつないで発電を始め、8日にはフル稼働を目指しています。ひきつづき大飯原発4号機についても再稼働の準備を進め、早ければ17日に再起動、24日にフル稼働するとしています。いずれも1カ月ほどの調整運転のあと、経済産業省の許可を受けて本格的に運転を再開することになります。

 全国で50基ある原発は、再稼働の作業がすすむ大飯原発を含め、5月以降すべて停止したままでした。「原発ゼロ」が定着することを恐れた野田政権は、大飯原発を突破口に全国の原発の再稼働をたくらんできました。大飯原発に続き、四国電力伊方原発などの再稼働を狙っています。

 大飯原発を含め、原発の再稼働に道理も根拠もないのは明らかです。野田首相は、福島原発を襲ったような地震や津波が起きても大飯では「事故は起きない」といいました。しかし福島原発事故の原因究明も尽くさないでどうして事故が起きないといえるのか。まさに、「安全神話」そのものです。

 政府は原発再稼働のために各電力会社に「ストレステスト」(耐性試験)を行わせたり、当座の「安全」対策を指示したりしましたが、大飯原発の場合、事故対策にあたる免震事務棟の建設や防波堤の整備でさえ何年も先です。それまで大きな地震や津波が起きないとは誰も保証できません。

 原発がいったん大事故を起こせば取り返しがつかない被害を及ぼすことは福島原発事故で証明済みです。事故を起こさなくても、原発は運転を始めたとたん危険な放射性廃棄物がたまり続け、その処分の見通しは立っていません。

 野田首相は、夏場の電力問題などを挙げて「国民生活を守る」といいました。国民の命や財産に関わる安全の問題と、電力確保などの問題をてんびんにかけることは許されません。野田政権が国民の安全を踏みにじって再稼働に踏み切ったのは、操業への影響を心配し、原発に固執する財界・大企業の主張に屈しただけです。

空前の叫びにこたえよ

 「再稼働決定を撤回せよ」「原発からの撤退を」―。首相官邸前でも全国でも、国民の叫びが相次いでいます。毎週金曜日夜の首相官邸前の参加者は先週末20万人に達しました。「原発なくせ」の声は空前の広がりを見せています。

 野田政権は無謀な原発再稼働の決定を撤回すべきです。再稼働ではなく原発からの撤退を決断してこそ、全国に広がる国民の声にこたえ、原発に頼らない未来に向かうこともできます。


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