2012年6月13日(水)
きょうの潮流
近ごろ、「スーパーサイクル」という言葉を聞きます。ある震源域で大きな地震が繰り返されたのち、近くの別の震源域と連なる巨大地震にいたる▼周期(サイクル)は、数百年に1度です。昨年の東日本大震災も、スーパーサイクルの地震とみられています。専門家は警告します。近く、ほかでもスーパーサイクル地震の、あるいは、それにつながる大地震の心配がある、と▼すでに地震の活動期に入っている日本列島。新たに、3・11巨大地震による地殻のずれの危うさも分かってきました。各地の地震、富士山など火山の噴火を誘い出しかねない、というのですから▼そんなとき、野田首相がいいます。「国のエネルギー安全保障という視点からも原発は重要な電源だ」。「原発は基幹エネルギー」との考え方です。安全はそっちのけです。きのうの日本共産党・笠井亮衆院議員の質問でも、はっきりしました。地震の影響もわからないまま、大飯原発をむりやり再稼働させたい政府の姿が▼基幹とは、物事を成り立たせるおおもとです。野田首相は、笠井さんの質問に答えてのべました。「消費税は基幹税だ」。庶民にずしりと重く、景気や財政のたて直しに逆効果の消費税。しかし、首相は「基幹税だ」といって頼りきり、大増税へ突きすすみます▼先行き不安定さのます大地の上に原発。貧困が広がり経済の体力が弱った社会の上に消費税の大増税。なんと危ない「基幹」に頼る国でしょう。21世紀の日本を砂の上に築くような政治です。