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2012年6月3日(日)

きょうの潮流

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 アメリカの作家、アンソニー・スウォフォードさんの記事が頭にこびりついています。彼は、元海兵隊員です▼「アメリカでは毎日18人前後の元兵士が自ら命を絶っている。アフガニスタンとイラクからの帰還兵だけでも自殺者は数千人にも上り、戦闘中の死者数(6460人)を上回るとみられている」(『ニューズウィーク日本版』6月6日号)▼記事は、退役軍人省の電話相談室のはりつめたようすを伝えます。元兵士向け“いのちの電話”です。「いま高速道路にとびこみ、なにもかも終わらせたい」と電話の主。女性相談員がつとめて穏やかに、現場に係官が急行して止めるまで会話を切らせまいとします▼スウォフォードさん自身、湾岸戦争から帰って孤立感と孤独感にさいなまれました。心の傷が癒えるまで20年近くかかりました。「戦場で人を殺すことが兵士の心や社会性にダメージ(被害、痛手)を与え、自殺の引き金になり得る」と、スウォフォードさん▼80年前、精神医学者フロイトが問いかけています。「文化の発展が生み出した心のあり方と、将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安―この二つのものが近い将来戦争をなくす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか」(『ヒトはなぜ戦争をするのか?』)▼たしかに、人間の知性をはぐくみ、生命や人権の大切さを教える「文化」と戦争は、もはや両立しがたい。きょうも、みずから命を絶つ元兵士。やはり、わが憲法9条は世界の希望です。


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