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2012年5月12日(土)

きょうの潮流

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 10日付の本欄で白馬岳の遭難について書き、読者のみなさんから「事実と違う」とのお叱りを受けました。ご指摘のとおりでした▼遭難が伝えられた当初の報道、「軽装」「冬山用の装備なく」にもとづき書きました。しかし後日、薄い羽毛ジャケットや風を防げる冬山用ズボンがザックに入っていた、と分かってきたのです▼自宅に執筆当日の朝に配られた新聞に、新たに発見された事実が報じられていました。目立たない記事とはいえ見逃してしまい、無念の遭難にあわれた6人の方々の、名誉を傷つけてしまいました▼北アルプスの名峰・白馬岳。正式には「しろうま」ですが、「はくば」の呼び名で親しまれています。60代から70代の6人は、雪解け水をたたえる雲上の火山せき止め湖、白馬大池から頂にいたる稜線(りょうせん)を進んでいました。さえぎるもののない展望が得られる分、風は吹きさらし、逃げ場が見当たらない道です▼夏に記者が同じ経路を登ったとき、予想以上に時間がかかりました。あの登頂の記憶を呼び戻すと、6人の足どりが目に浮かびます。5月の山は、天気がよいと暖かい。登り始めのころは、Tシャツ姿で平気だったかもしれません▼が、いつしか疲れ、雨・風・雪に見舞われる。体の中心部が冷える低体温症は怖い。脳の働きが鈍り、重ね着する間もなく力つきたようです。6人のうち5人が医師や獣医師で、登山経験も豊かな、山男の命を奪った自然の魔力。こんど同じ道を行けば、倒れられた現場で黙とうしたい。


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