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2012年5月11日(金)

きょうの潮流

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 ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんが語っていました。日本語の「もったいない」を知ったとき、その「精神的みなもと」にひかれた、と▼なるほど。たとえば、ご飯の最後の一粒を食べる瞬間です。いつも欠かさずとはいきませんが、お米をつくった農家の苦労に感謝します。ときには、列島に田を開き、営々と米づくりに励んできた先人の歴史にも思いをはせます▼東京電力の次期社長が、原発を再び動かさなければ「もったいない」といいました。せっかくの発電能力を生かさないでは「もったいない」、という話らしい。しかし、なにより、会社の損得勘定からでた「もったいない」です▼人の命と健康にかかわる一大事を、一社の損得勘定で決められては困ります。冗談もほどほどにしてほしい。原料ウランを採る労働者から原発の労働者、住民にいたる大勢の人の生命を脅かし、なにが「もったいない」でしょう▼原発に頼らず、資源を無駄なく大切に使う。自然の恵みに感謝して太陽光や風力、地熱などのエネルギーを利用する。日本が、マータイさんのたたえる「もったいない」精神を生かしてすすむ道です▼昨年9月に亡くなったマータイさん。3・11後、共同通信の取材に日本への“遺言”を残しました。「私は…原子力を恐れる。…恐れは今回の日本の災害で強まった」「人類の能力には限りがあり、コントロールできないものがあることを理解しなければならない。われわれは自然の力に対して謙虚になるべきだ」


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